価格改定のお知らせ

販売価格の変更をいたします。
2022年内に過去の作品も含めて値上げいたします。
片方紛失などで過去の作品の耳飾りをお求めの際も、新価格での片方販売となります。※ひなたさんで取り扱って頂いているピアスツリー(片方330円)は据え置きです。
シンプルで長く使えるアクセサリーという作風や、ひとつのデザインを長く作り続ける方針に変更はありません。
20年以上アクセサリー制作販売を行っておりますが、初めての本格的な値上げとなり、長く支えて下さった皆様に置かれましては、がっかりされるかたも多くいらっしゃることだろうと、とても申し訳無く思っています。
アクセサリーは、生活必需品というよりもプラスアルファのカテゴリーですので、
お金のことを細かくご説明するのは味気ないのではないか?そもそも必要なのか?と迷いましたが、現在私の作品をお求め下さっているほとんどの方がリピーター様であることから、きちんとご説明した方が良いと考えました。また、現在の価格についてご心配下さる常連のお客様がたもおられまして、値上げをすすめて下さったのも後押しとなりました。あたたかいお言葉に感謝いたします。

楽しい気持ちでお買い物をしたいから現実的な話は不要とお考えの方は、この続きはお読みにならず、これからも末永くcubic Sとおつきあい下さいますと幸いです。


値上げの理由

・原材料の高騰と質の低下
20年前から比べると全ての素材が値上げされており、特にここ数年の淡水パールと金属(金具)の価格は天井知らずに上がっています。淡水パールは小粒なものの値上げが大きく、同じくらいのクオリティを求めると3~4倍になっています。昔に仕入れたものを交ぜながら制作して価格を抑えてきましたが、ストックも残りわずかとなりました。
金具はいつも使っている仕入先は値上げをしているにも関わらず質が少しずつ落ちてきています。値上げ幅を抑える為の努力なのでしょうから仕方がないのですが、以前なら仕入先の検品ではねられていたであろう物も入っていて仕入れ後の私の検品によるB級品が増えてきました。数が増えれば私の検品もれのリスクも上がります。万一お客様のお手元で破損が起きてしまったらと不安です。その為、留め金具のようなバネが入っているものを中心に仕入先を変更することにしました。一つ一つがセミオーダーとなってしまいますが、仕上がりも美しく検品もしっかりしている国内の業者さんです。手元にある金具が終わり次第順次切り替えます。

・私の体力の限界
「ひとの倍頑張る!」で活動してまいりましたが、根性でカバーできなくなってきました。
好きなことの為なら睡眠時間を削っても平気だった若い頃のような体力と回復力が無くなってきたためです。大好きな制作を無理なく長く続ける為に、作家時間を常識的な時間に収めることにしました。

・作家として目が肥える & お客様も大人になっている
使用している石やパールは、天然素材に人の手が加わっています。カットや研磨・穴開け、染色などです。作家初心者の頃ならば気にならなかったことも、目が肥えてくると気になるようになります。卸業者さんから教えて頂く知識も増え、仕上げの良い上質な素材を使いたくなってきます。
似たようなことがお客様にもおこります。私が年を重ねる分だけお客様も大人になっておられます。基本的なお好みは変わらなくとも、以前よりも上質な素材を楽しみたいと思われる方が増えていると感じます。
これからは少しくらいの価格差であれば、上質な素材をセレクトしていくとにいたしました。

・作家の仕事の増加と変化による制作数の減少
この20年で「作家」の仕事の範囲が変化したと感じています。昔は作品を制作し委託店へ発送すれば、あとは販売のプロにお任せできていました。作家は制作に集中できていました。私がブログで何かを発信すれば、委託店のスタッフさんから恐縮される時代でした。現在は作家からの発信が必須で、そのウェイトは大きくなっています。写真の撮影・加工・WEBへのUP、素材やサイズ・特徴等を一点一点文字に起こさなければいけません。天然石の特性上、細部まで確認出来る写真が必要ですし、色によってランクが大きく異なる石もありますので、色の再現性にも注意をしなければいけません。今の私の能力では制作そのものの何倍もこの作業に時間を費やしており、制作だけに集中することは不可能となりました。当初は戸惑いましたし、今でも昔を懐かしく思うことはありますが、それは時代の流れですので抗うつもりはありません。制作のウェイトを増やせるように自分に出来ることをコツコツ積み重ねるのみだと思っていますが、昔のような制作のみに集中できることはもうないと思っています。お届けできる作品数の減少は避けられません。

以上、長くなりましたが、値上げの大きな理由でした。
最後までお読み下さいましてありがとうございました。
これからも誠実なもの作りを心がけ、一つ一つの仕事に心を込めていきますので、応援して頂けると嬉しいです。

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